うきうきマンドリル

鼻の角栓抜くのの次くらいの暇つぶし

マッハで癒える傷

1ヶ月前くらいの話なんですけどね、僕は男女4人で東北に泊まりで旅行に行こうぜっていう、僕の人生の中では比較的リア充なイベントにお誘いの声がかかったんですよ。こういうのってあとでFacebookに写真をアップしたくなりますよね。しかしその日程は言うまでもなく、進級のかかった再試験前だったんですよ。いや、結果的に、今日までたいして勉強してこなかったわけでして、旅行とか関係なくテストは惨敗に終わる運命はもともと決まっていたと言っても過言ではないのですが。「テストがあるから(キリッ!!」と毅然とした態度でお断り申し上げるような立場の人間じゃないですよ。僕なんてものはね。

 

メンツの女の子2人が他学部の子だったんです。だから僕が学年の留年候補に名前が挙がっているという事情を、そこまで現実味を帯びて重く捉えていなかったと思うんですよね。2週間もあるなら、テストがあったとしても1、2日くらい遊んだくらい大丈夫でしょって。実際、真面目に2週間勉強が出来るなら、テストも楽勝で切り抜けられたと思いますよ。

 

でもね、僕は去年の秋に受けたテストの結果次第で既に、留年が確定している可能性を自覚していたんです。今月末に公式に発表される留年の通達を9割9分確信していたのです。彼女らは僕の事情をそこまで深くは察せないし、僕自身そんな笑えない話は人にしません。でも、この悲しい事実を僕だけが知っている。

 

僕は来たる進級発表の日に「私たちが旅行に誘ったせいで彼は留年してしまったんだわ」という、瞬時で癒える傷、的外れな罪悪感を彼女らに負わせることを憚ったのです。いかに旅行が楽しいものになったとしても、僕が留年することでそれは気まずい思い出に変わる。辛い思いをするのは僕だけでいい・・・。

 

逆にこの日までは遊んで大丈夫。明日から頑張る。それ以降は自分の責任、と明確な切り替え、線引きができているポーズを取ることで、一緒に遊んだ子たちの罪悪感を取り除いてあげる。「勉強大丈夫?」と心配してくれる友人を安心させるために「来週から一切遊ばずに勉強する予定で居るから、今週いっぱいは付き合ってよ」と。そんな妙ちきりんでどこかずれた発想を、僕は思慮深い気遣いだと勘違いしているのです。南無。