【初心者向け】立川志の輔のおすすめ落語動画8選を紹介
ためしてガッテンが最終回だそうですね。(「ガッテンガ」で変換がキマるところにモヤモヤします)
番組予告で「重大発表」とあったので、どうせ番組タイトルがマイナーチェンジされて今後も継続されるもんだと踏んでいるのですが、どうなるでしょうか。
(追記:4月から番組タイトルを「ガッテン!」に放送時刻を7時半に変更するというだけでしたね~)
ご存知かと思いますが、ガッテンの司会の立川志の輔さんの本職は落語家さんです。
あの立川談志師匠が認めた愛弟子であり、最もチケットの取れない落語家とも言われているのです。(まあこの表現は喬太郎さんとか談春さんのところでも聞きますけど)
言うまでもなく僕も一番大好きな落語家さんで、昨年11月にははるばる京都まで独演会を観に行き、その日のことをブログにした。
あまりに読まれなかったので、泣きました。これはいつか布教せねばいけないなと常々思っていたのです。
そんなわけでこの機会に志の輔師匠の落語家としての凄さを今一度みんなで噛みしめようじゃないかと思い、youtubeで見つかる限りでおすすめの落語動画を選ってリンクを貼りました。
新作落語3つ
志の輔師匠は新作、古典ともに超一流の落語家として知られてます。現代にも通じる新解釈を加えたネタも豊富で、初心者にも馴染みやすい落語が多いですね。
新作落語というのは、古典落語に対して大正時代以降に作られた落語を指し、今回紹介するものの中には、志の輔師匠オリジナルのものや短編小説を元ネタにしたものもあります。
みどりの窓口
笑える・おすすめ度☆☆☆
清水義範の短編小説を元にした新作落語。最初にこれ聞いてみると「落語って面白いね」って言ってくれるんじゃないかしら。
JRみどりの窓口で並ぶ乗客の身勝手な言い分を愛らしく描く。人間ってこういう滑稽さがあるよね、という共感(あるある)こそが落語の醍醐味ですね。
忠臣ぐらっ
笑える・おすすめ度☆☆☆
枕が初心者にも優しく見事だと思うんです。
歌舞伎、講談、文楽、映画、ミュージカルなどあらゆる芸能で演じられる演目「忠臣蔵」をなぜ落語は扱わないのか。それは忠臣蔵のエピソードがあまりにカッコ良すぎて落語に馴染まないから(笑) という力の抜けた枕。
落語とはどのような演芸なのか、どのようなスタンスで聞けばいいのかを志の輔師匠なりの解釈でレクチャーしてくれる。この枕を聞いてから僕は古典落語が好きになりました。
そして枕の内容と違わぬ、ひょうきんなドタバタ劇としての忠臣蔵を見事に演じあげます。
ハナコ
笑える・おすすめ度☆
日本人は何かとトラブルに備えて「あらかじめお伝えしておく」ことが多い、という文化をピックアップして構成される笑い話。
バカ丁寧に「あらかじめ申し上げて」くる旅館の女将と旅客のやり取りを通じてオチまで駆け抜ける。タイトルの「ハナコ」の意味は・・・w
他には「踊るファックス」というネタも爆笑必至の面白さでおすすめ。ファックスの受信音(ぴーひょろろろ~)なんてのは高校生くらいの世代にはもう通じないギャグなのかなぁ。
古典落語5つ
こちらは選ぶのに苦労しました。志の輔師匠の古典落語は本当に素晴らしい。声がいい、聞かせ方が上手い。泣きの演技になると立川談志師匠を感じる...。
猿後家
笑える・おすすめ度☆☆☆
大きな商店の旦那の後家さん(未亡人)は非の打ち所のない、素敵なおかみさんとして親しまれています。惜しむらくは容姿が「猿」に似てしまっていて、本人がとても気にしていること。店のなかでは「さる」という単語が禁句となっています。
おかみさんを上手にヨイショして小遣いをせびろうとする与太郎ですが、うっかり口を滑らせて「猿回し」を見てきたという話をしてしまい、おかみさんの逆鱗に触れる。再び機嫌を取りにいこうと策を練って・・・
本音と建て前の可笑しみと言葉遊びがいい塩梅の、いかにも落語っぽいお話。
猫の皿
笑える・おすすめ度☆☆
掘り出し物の骨董品の買い付けをしながら旅をしている商人が道中のお茶屋さんに入る。そこで飼われている猫が餌付けされている小皿というのが200両は下らない値打ちの皿。茶店の主人はどうやらその皿の価値に気づいていない様子。
商人はどうにか主人を騙してこの皿を安く買おうとしますが、この主人が飄々としてつかみどころのない人物。果たして皿の行方は・・・。
この話は噺家によって、主人の性格が天然ボケの場合と天然ボケを演じた場合とかあって、そういう聞き比べも楽しいですね。余談ですが、月亭方正(山崎邦正)の猫の皿は酷かった・・・w
徂徠豆腐
人情話・おすすめ度☆☆☆
日本史でお馴染み、赤穂浪士の事件で一枚噛んだ儒学者、荻生徂徠が出世する少し前のお話。
心優しい豆腐屋と貧乏学者のあいだの人情話。素敵すぎる。サゲの台詞では鳥肌が立ちました。個人的に、一番好きなネタです。
帯久(おびきゅう)
人情話・おすすめ度☆☆
日本昔話のような、いい爺さんと悪い爺さんのあいだのいざこざをかの有名なご奉行・大岡越前が見事に裁く。逆転裁判やね。勧善懲悪がシンプルに心地よく、大岡越前の締めの台詞のドヤ顔感に思わずニヤリ。
1時間近い話は初心者向けとは言い難いから、慣れたら聞いてみてください。
浜野矩随
笑いあり涙あり・おすすめ度☆☆☆
2世タレントばりにパッとしない、下手くそな腰元彫り(今でいうストラップ)の職人と、それを買い付ける道具屋はとあるきっかけで絶縁。道具屋に「死んでしまえ」と罵られた職人は死ぬ間際に、母親の頼みで最後の作品として観音様を彫る。
基本的に人情噺なのですが、急展開あり、志の輔師匠の関西弁ありでかなり振り回されますね。初めて聞いた時は滲んだ涙が悲しくて泣いているのか可笑しくて泣いているのか分からなくなりました。
他には古典落語でいうと「だくだく」が哲学的で好きなんですが、刺激が少ないので今回は割愛。興味が出てきたら聞いてみてください。
まとめ
伊集院光さんもラジオで、初心者に勧めたい落語家さんとして立川志の輔師匠と春風亭昇太師匠の名前を挙げていました。
自画自賛ですがなかなかいいチョイスです(笑)
30分弱の話から60分近くの長い話まで、是非時間を取って聞いてみてください。
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