僕は狂人の執念を観たいのかな...「ナイトクローラー」含ネタバレ感想
観てまいりました、ナイトクローラー!
「ベストムービー of 僕2015」の第3位に入りました!おめでとう!w
ネタバレの手加減が下手なあらすじ
コソ泥で生計を立てていたルー・ブルーム(ジェイク・ギレンホール)はある日事故現場に遭遇し、そこで事件や事故の凄惨な状況をスクープしその映像をテレビ局に売りつけるフリーカメラマンの仕事を目撃。自分も見よう見まねでこの仕事を挑戦する。初めのうちはノウハウもなく、撮影機材は安物で同業者の嘲笑の的だったが、自称「覚えの早い」ルーは、インターネットで学んだという自身の哲学とフットワークの軽さをいかして他の同業者を出し抜き衝撃映像をスクープする。味を占めたルーは、住宅街で起きた発砲事件で固まっている家族や警察の目をかいくぐり現場に被害者宅に不法侵入したり、交通事故で転がっている重大の被害者の体を引きずってカメラ収まりのよい構図にしたりという、衝撃映像を取るためには手段を選ばないカメラマンとなる。
事実上、専属で映像を提供しているテレビ局のディレクター(レネ・ルッソ)や安月給で雇った助手リック、同業者のカメラマンとの人間関係もすったもんだあるサスペンス映画(最後まとめサボったwww)
雑感
予告を見たのが大きいのだが、とてもハードルが上がっていた。なぜか「ゴーン・ガール」ばりのサイコサスペンスだと想像を膨らませ、エンドロールで呆然とするあの感覚をもう一度、とワクワクしながら独りぼっちで劇場のど真ん中の席で観賞。ゴーン・ガールを100点とするならば、ナイトクローラーは90点といったところか。採点基準なんてあったもんじゃないのだが、事実、とても楽しめた。
まず何より主演のジェイク・ギレンホールの演技がとてもリアル。演技が上手いのを超えて「この人、役とかじゃなくて実際に異常者なんじゃないか?」と思うくらいのはまり役。必死にカメラを回すギラギラの目力が怖い。12キロ減量したらしいよ。
近頃興奮するサスペンス映画のエッセンスというのが、タイトルにあるような「狂人の執念」なのだ。普通そこまでやる?というような常軌を逸したことを目的達成のためなら躊躇わずやってしまう。ゴーン・ガールはまさに、自分にとっての理想の夫を求めて人を殺して笑顔になっている話だった。今作は同業者のパパラッチの事故現場を冷酷な表情で撮影し続けたシーンや、ニーナに損得の交渉で私的な交際を迫るシーン、スクープへの異常なモチベーション、助手のリックを人間扱いしない態度、そしてラストシーン、ルーが人の心を持たない異常者だというところを目一杯描く。そして、決して悪は滅びない。エミリーも、ルーもボロを出すことなく、ブレない悪として成功者になっていく。ニックの説教も耳に届かない。この絶望感が何よりリアルでゾクゾクする。この手のジャンルは感動するとか、泣けるとかそういう尺度で見るものではないので、他人と語り合うのは難しい気がする。「うわー...すげーの見ちゃったなー...」こんな具合。
日本の現状は知りませんが、僕がよく見る日本のサスペンス物だと、最初の銃撃事件の写真を撮った直後から尾行がつくのにな~って思ったり。ラストのカーチェイス、やっぱりルイスは生き残るんだ~運転上手いな~救いがないな~って思ったり。
おまけ?
報道の倫理というテーマで、昔ニコ動の実況プレイゲーム動画で見た「ミシガン」というゲームのことを思い出した。ナイトクローラーの主人公は完全な悪だから話は少しずれるが、ミシガンはゲームのシステムとして、リポーターが未確認生物に襲われているところを助けるか、助けずにカメラを回し続けるかというカメラマンのモラルorプロ意識で展開が変わってくるとか、そういうゲームだった。ごめん、うろ覚えの記憶で喋ってる!!
ただ、思い出したよ~という報告であってナイトクローラーの内容とは一切カスっていない。そういや「クガイ」っていう実況者さん大好きだったなぁって、懐古しているだけです